これじゃ人が死にます (失敗談1)

動物は痛みを知るからこそ成長するもの。
人は他人の痛み、失敗を聞いて想像して、経験に変えられる動物。
どこかでこの経験を生かしてほしいので、失敗を共有していこうと思います。

新人の頃の失敗その1。

大学卒業後、請負中心の企業に勤め始めたSE一年目。
最初の仕事はphp言語web系の医療関連の案件、製造工程でした。

ある日のコーディング。少し複雑な処理を担当していた時の話です。
詳細設計書に曖昧に書かれた言葉を独自解釈してロジックを考えてコーディングをしたことがありました。
自分なりに出来たつもりで終わっていたところ、後日机の上に上司からの書き置きがありました。

『これじゃ人が死にます。直したら連絡下さい。』

マトリックスに書かれているのは照射部位と放射線量。間違ったことを正さなければ、本当に死ぬんです。

自動で計算して出すものには必ず正解があるので、曖昧さはあってはなりませんでした。
詳細設計書が曖昧と思うのなら、自分で解釈するのではなく、考えを正すことが必要でした。

自分の担当したプログラム。
その先にはエンドユーザー(患者)が存在しており、一つの勝手な解釈やミスが含まれたプログラムは、人の死に直結していることに気づかされました。

仕事としてプログラムを作るのは、それまでやっていたフリーソフトウェアプログラマとは全く考え方が違います。
自己満足で作るものではなく、誰かの人生も左右するものだと、この時実感させられました。

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